2017UTMB参戦記③シャモニー~クールマイヨール

マップ(シャモニー~クールマイヨール~フィレ峠手前まで)

充電ミスで残念ながら途中でバッテリー切れとなりました。

スタート、シャモニーの街中


2017年9月1日の18時30分(日本時間9月2日 1時30分)、UTMBがいよいよスタートした。
スタートしてから2分、3分後にようやくゲートをくぐる。
それと同時に時計もスタートさせた。
体調も気持ちも100マイルにむいていないけど、やるしかない。

どこからやってきたのかってくらい、道の両サイドには溢れんばかりの応援者。
子供が「アレアレ!」と手を差し伸べて応援してくれている。
ちなみにアレはイケイケーみたいな意味らしい。


前後に選手が多くてなかなか進まない。
応援者は途切れない。
このままフィニッシュゲートまでずっと応援者がいるのでは?って思うくらい(笑)
ようやく応援者も減ってきたかなってころ、道は林道になった。


最初のポイントLes Houchesまでは8kmくらい。
ウォーターステーションだ。
水を飲もうかなって思ったけど、選手が多すぎて水まで届かない。
水もまだまだあったし、ここのエイドはスルーした。


子供に手を差し伸べられる。
たまに、手を差し出しておいて、タッチしようとしたら、ヒョイって手をどけてふざける子供がいた(笑)



選手が途切れない・・。
このあたりで順位は900番前後。


Saint-Gervais


9/1 21時20分 一つ目のエイドであるSaint-Gervaisサンジェルベ、約21km地点に到着。
タイムはほぼほぼ予定通り。
予定フィニッシュタイムは35時間。
が、ここのエイド、というかUTMBは前半の関門が厳しく、ここでは関門40分前。
とても眠くて、体がだるい(><)
なんだか、、もうやめたい気持ち、、。


とりあえず、エイドのご飯を食べることに。
スープを飲む。
これか、噂のしょっぱいスープ!(笑)
このスープとはこの先、長い付き合いになることになる。
スープの中には千切れたパスタ?麺?が入っている。
美味しいか美味しくないかと聞かれれば、美味しくない(笑)
これしか温かいスープがないから、仕方なく飲んでる感じ。
で、このスープにフランスパンをつけて食べる。まあまあいける。
水はそんなに消費していないので、補給もそこそこに。(スタート時はお茶1リットルくらい)


エイドを出発する際、自分の名前を呼ぶ声。
カズミさんとクロダさん(^^)
もうマイナスな気持ちで溢れていることを伝えると、クロダさんも
「TDSは眠くて辛かった、けど夜が明ければ復活するから頑張って!」
と激励を受ける。

Les Contamines、La Balme、Les Chapieux


途中、滝の観光地っぽいところを通った。

9/1 23時00分 Les Contaminesコンタミンも予定通りのタイムで通過。
が、このあたりからだったか、ありえない睡魔に襲われ始める。登りが眠すぎる。
ナイトトレイルに突入したってのもあるのかも。
ちなみにこっちの夜は暗くなるのが遅くて、20時くらいから。
逆に夜が明けるのも遅い。朝は7時くらいまで暗かったかも。
ちょっとでも気を抜くと眠くて意識が飛びそう。
ついには立ち止まってその場に座り込んで寝ることに。



9/2 0時44分
39km地点のLa Balmeバルム。


9/2 2時30分


9/2 3時18分
Les Chapieuxレシャビュー

Les Contaminesコンタミン~La Balmeバルムで予定から21分遅れ、
次のLa Balmeバルム~Les Chapieuxレシャビューで33分遅れ、合計で1時間ほど遅れた。

Col de la Seigne

Col de la Seigneセーニュ峠への登りに差し掛かる。
途中から雪が降ってきた。相変わらず眠気が酷い。
今回は完走出来ないかも・・という気持ちに。


動画では「フィレ峠」と言っているが、セーニュ峠の間違い。
ちなみに、これ一人ぶつぶつ言っている状態ですが、前を行く選手が日本人選手だったことを後から知り、ちょっと恥ずかしかった(笑)


9/2 6時過ぎ、セーニュ峠がようやく見えてきた。
そこにはテントとスタッフが数名。
スタッフが自分のナンバーカードに機器を押し当て、何かをチェックしている。
そしてこのセーニュ峠を境にイタリアに突入となる。
このセーニュ峠の登りでさらに予定から遅れて、トータルで約1時間40分遅れとなった。

Col de la Seigne~Lac Combal


セーニュ峠を越えた辺りから夜が明けてきた。


少し進んだ後から下りとなる。
岩がゴロゴロしていて、泥も多少あるのでスピードが落ちる選手が多いように感じた。
で、自分はというと、何故かここで目が冴えて、身体がかなり動いた。
集団をいくつもパスしていく。
その中で、自分と同じように元気になっている外国人選手と途中から一緒になった。
特に会話をしたわけではないけど、前後しながら良いペースで下っていった。
「この選手はどんな異国の地のトレイルでトレーニングしてきたんだろう」とか考えるとなんだか楽しかった。
まだ薄暗くてよく見えなかったが、ナンバーカードの名前をみると「セバスチャン??」のように見えた。
まさか、あのセバスチャンが!?(笑)
トップ選手が大きく潰れて、この位置にいるのでは、とか妄想、、で後からちゃんと確認したら違った(笑)
そんな感じで「セバスチャン」と共にセーニュ峠を良いペースで下り、Lac Combalラックコンバルのエイドに到着。
到着は9/2 6時44分。
この下りでちょっと取り戻したものの、トータルでは予定+約1時間。

Lac Combal~Col Checrouit


エイドを出ると左右を大きな山に挟まれた谷あいを進むような道となる。


左側に見えるのは、、モンブランか!?


ガスで上の方が見えなかったけど、日本ではまず見ない大きさの山にようやく海外レースに来ているんだと実感する。
何度も立ち止まってはその景色を写真に収めた。


この辺りからしばらく、同じ日本人選手の男性の方と並走する。



牛の群れ。
牛が首からぶら下げている鈴?の音が応援者の鳴らす鈴の音と似ている。
「エイドが近い!」→「牛だった・・・」って勘違いすること数回(^^;)



9/2 7時56分
ここはモンファーブルってところかな。



9/2 8時30分 Col Checrouitに到着。
ここはウォーターステーションかと思ったけど、美味しいペンネが振る舞われた。


しかも天気が良く、ロンゲの馬なんかも走っていてとても良い雰囲気。
応援者?の一人に日本語が上手な男性がいて、とても親切にしてくれた。

Col Checrouit~Courmayeur

エイドを出た後はクールマイヨールまで下り。



9/2 9時17分 ようやくクールマイヨール(約78.8km地点)に到着となった。
タイムは14時間47分、予定より1時間12分遅れ。

クールマイヨール 仮眠

クールマイヨールのエイドに到着してすぐに声をかけてくれたのは、カズミさん。
ボッコさんは1時間ほど前に出発したとのことだが、サポートで残っていてくれたみたい。
風邪っぽいことを伝えると、風邪薬と抗生物質を頂いた。
あと、カルピスも。本当ありがたい。

流石はデポ地点とあり、エイドは大きく、中の体育館?には多くの選手とサポーターがいた。
このエイドにもペンネがあったので迷わず食べた。やっぱり普通のご飯が美味しい。
で、予定より1時間ちょっと遅れているものの、体調は悪く、眠気もある。
ということで、仮眠をしていくことに。
体育館の奥に仮眠スぺースがあって、10名ほど分のベッドがある。
全て埋まっていたものの、幸い、ちょうど出発しそうな選手がいたので、声をかけてスペースを確保した。
ちなみにコンタクト装着しているけど、連続装用っていって、寝てる間もつけてられるコンタクト、らしい。

1時間くらい寝て、アラームで起きた。
荷物整理して、トイレへ。
その途中、女性選手が上半身裸になって着替えていてビックリ。さすがの大胆さってところなのか。
トイレで鏡をみると、目が赤い。本当に寝てる間も装着しても良いコンタクトなのか?と疑問になる(笑)

クールマイヨール 荷物整理

クールマイヨールで荷物整理した内容について。
まず、ヘッドライト、1晩目はレッドレンザーのH7R.2のみを使用。
電池は専用バッテリーを使用、切れることはなかった。
これを単4電池4本に交換。2晩目に備えて。

衣服類は特に変更なし。自分はTシャツも靴下もシューズも変えることは特にしない。
この時点では、上はTシャツにアームカバー、その上にパタゴニアのフーディニー。
下は短パンにカーフガードのような服装。

次に行動食。今回のメインはトレイルバター。
スタート時に2本持っていたが、1本を消化するかしないかくらいだった。
今思えばもっと食べるべきだったのかも・・・。
食べなかった原因に、トレイルバターが固まって食べにくかったってのがある。
これは想定外だったけど、冷静になって考えてみれば、トレイルバターってほとんどが油だし、低温環境で固まるのはあたりまえのこと。
途中からは胸元のポケットに入れて、固まらないようにしながら保持した。
で、トレイルバターを1本だけ追加。
あとはムサシのNI、塩熱サプリ系のタブレット、フリーズドライのお米のお菓子など追加。
お茶の粉も補給。これは水に混ぜることでお茶になるやつ。結構良かった。
ちなみにフリーズドライのお米のお菓子は帰国後の夜食となった。

あと、時計を交換。
手持ちの時計、EPSON WristableGPS SF-710Sはバッテリーが30時間くらい。
なので、同じ時計を使っているタカハラさんに事前にもう一つ借りておいて、ここで交換した。
が、結局、充電ミスか、20kmくらい行ったところで切れてしまった(^^;)

クールマイヨールでは、こんな感じで仮眠と荷物整理で1時間ちょっと滞在。
寝たから気持ちもちょっと前向きに。リタイアの文字も一旦は頭から消えた。