第3回上州武尊山スカイビュー・ウルトラトレイル完走記③

A5 → A6

さて、レースは後半戦に突入。
レース時間で言えば、もう半分は過ぎている。
何もなければ、あと10時間、11時間くらいでゴール出来るか?
今が18時半くらいだから10時間半くらいで走れば24時間切りか。
と、この辺りから24時間切りを意識して走るようになっていました。

A5に入ったころはまだ薄ら明るかった空も、今は完全に真っ暗。
レースはナイトパートに突入しています。
日が暮れる頃は「ああ、辛くて長い夜の時間帯に突入か~・・」と意気消沈でしたが、いざ夜の山に入ってみると、意外と悪くありません。

今回使用しているヘッドライトはブラックダイヤモンドのアイコン。320ルーメンらしい。
んー、確かに明るいか・・。正直、そこまで明るさは感じられないかも(^^;)
くそーせっかく海外通販したのになあ。
明るさを調整出来るので、登りでは弱くして、下りでMAXに調整しながら進みました。

そしてA5からはストックが使えます。
俺は登りも下りも、疲れている時は平地も使います。
やっぱり楽ですね。
あと、A5からA6までは距離9.6kmと、今回のレースで一番エイド間が短い区間。
気持ちがとても楽でした。

道は殆ど覚えていません(^^;)
最初はロードでした。
街灯があったのでライトを完全に消して電池節約してました。
A5手前でちょっと疲れてきたなって脚が、何かがトリガーになってちょっと回復している感じがありました。
ベスパのドリンクか?
そして、特に問題なくA6へ。

A6「赤倉林道分岐」(85.1km地点)


A6(85.1km地点)
区間タイム +2:01(52位)
累計タイム 15:19(30位)

20時20分頃、A6「赤倉林道分岐」に到着。
ここで60kmの選手とはお別れです。
60kmの選手はここまで最後尾から30名ほど追い越してきたでしょうか。
60kmに参加しているニワッチさんには結局追いつけませんでした。
十二様で1時間40分くらい離れていることを確認していたし、全然諦めてましたが(^^;)

次のエイドA7までは23kmもあります。ここでしっかり補給です。
ジェルが配られていたので、それをその場で一気に食べる。
続いてクリームパンらしきが置かれていたので、食べる。
そしたらあんパンでショック。この大会はあんパンばっかり!笑
次にマカロニスープ。これは旨かった!

気温が下がったからか、水の消費量が減ってきた感覚。
次のエイドまでは長いが、途中にウォーターステーションもあるので、1リットル弱の補給とする。
そして徐々に吐き気。
既に大田胃酸を2袋飲んでいます。
去年はこの辺りで仮眠タイムに突入しました。
が、今年は眠気は殆どなく、吐き気はあるが我慢できるレベル。
よし、まだいけるぞ!と最低限のエイド滞在とし、レース再開。

A6 → W3

A6からW3の樹恵里までは約16km。長い!
この辺りは、前半の上州武尊みたいに山岳っぽくもなく、つまらない景色の中、ただただ進んだ記憶です。
意外と林道やロードが多い。
そして前後に選手が現れることは珍しくなりました。
夜の山中一人旅。
空を見上げればお月様。
「ああ、やっぱり楽しいな~」とか、「なんでこんなことやっているんだろう」とかウルトラトレイルあるあるなことを思ったり。

W3「樹恵里前」(101.4km地点)

W3
区間タイム +2:41(46位)
累計タイム 18:01(28位)

ペースはちょっと落ちてきたか。
それでも順位が上がっているのは、この辺りから潰れて歩いたり、座り込んだりしている選手がいたからだと思います。
それらの選手を横切る時、明日は我が身と肝に銘じて進みました。

W3 → A7

次はいよいよ最終エイドのA7「太郎大日堂」。
吐き気もあって、体力は結構ギリギリ。前半にあった余裕はもうありません。
ちょっとでも油断すると一気に潰れてしまいそうな感覚。
時折、思い出したかのように、息は上がってないか?足は無駄に置いていないか?などを確認しながら。

A7「太郎大日堂」(108km地点)


A7
区間タイム +1:20(31位)
累計タイム 19:22(26位)

日付は変わって12日の0時22分ごろ、最終エイドのA7「太郎大日堂」に到着。
ここに日付が変わるまでに到着出来れば24時間切りも見えてくるな、なんて考えながら進んでいましたが、やはり厳しそうです。
(残りの21km区間を4時間30分程度は、ちょっと厳しそう)

このエイドでは暖かいうどんを3杯頂きました。
リクエストすれば冷たいのも大丈夫だったみたいです。
あと、ホットコーヒー。これは旨かった。

この「太郎大日堂」は今回で3回目の訪問。
この先で毎回フラフラになってます。
今年も去年ほどではないにしろ、体力が余り残っていません。
が、眠気が無いのは幸い。
仮眠室には目もくれず、覚悟を決めてラスト区間へ!

A7 → ゴール(林道区間)

A7を出てすぐに酷い吐き気が襲ってきました。
恐らく食べた後に胃が揺れることが原因なのでしょう。
俺はレース中に吐き気はしょっちゅう来ますが、吐くことは滅多にありません。1回もないかも。
しかし、この時ばかりはついに立ち止まるまでに。
やばい、ここで戻してはパワーが逃げる・・。
・・なんとか堪えました。
落ち着くまでゆっくり歩いて進むことに。

A7のあとは長ーーーーーい林道の登り。
7kmくらいあります。
結構進んだなーって頃に距離表示で1kmしか進んでいないことを知らされゲンナリ・・。
体力があれば走れる勾配ですが、今はそんなに残っていなくて、たまに走るものの、基本はストックを使ったパワーウォーク。


2時間近く登り続けたか、ようやく登りきったであろう頃に無人のウォーターステーション。
選手もおらず自分ひとり。
意外と水を消費していたので、500ml全部を補給。

A7 → ゴール(トレイル区間)

林道の後はトレイル区間。
ここは幾度となく急登が襲ってくる記憶があります。
が、意外と下りもあって走れる部分も結構ありました。
が、走れない。もう、パワー切れなのか、スピードが出ません(ToT)
スニッカーズや山より団子を適宜、水で胃に流し込み、その都度襲ってくる吐き気に耐えながらも進みます。

そしてガスが酷く、視界がとても悪いです。
雨もちょっとパラつき。
日付は12日、時刻は2時、3時。
「十二様」が怒っている!?
ガスを吐き出して俺を迷いこませようとしているのか!?
ガスの向こう側から目ん玉のくり抜かれたお化けハイカーがやってくるのでは?
お化け怖い。

ああっ十二様っ・・!
アッーーーーーーー!!

そういえば昔、スーパーファミコンのゲームに「ああっ女神さまっ」ってのがありました。
内容は一切知らないのですが、タイトルが印象的で覚えています。
それを思い出したり。ホントどうでもいい!

前の方が騒がしいな、と思ったら60kmのラストランナーとスイーパー2名。
60kmも制限時間24時間と長旅ですね。スイーパーきつそう。スイーパーってやると分かると思うのですが、ホントキツイ仕事なんですよね。
ペースは上がらないものの、抜かされることはなく、気持ちは楽でした。
周りも疲れているのでしょうか。
このままいけば、まさかの20番台か!?なんて考えたり。

浅松山は知らずの内に通過していたようです。
残り6kmの表示。
そろそろ雨乞山か?ってころに最後のWS。
去年はここに辛い(からい)エネルギードリンクが置かれていましたが、今年はありませんでした。
不評だったのかな?
その先に看板「心からあなたを尊敬します」。
これは本来なら鏑木毅さんのメッセージなのですが、今年はプロデューサーではないので、そこにサインはなく。
(一体誰から尊敬されたのか?笑)


雨乞山に着きました。
夜景くらいは見えるかなとちょっと期待していたのですが、そこが山頂かすら怪しいくらいにガスってました(笑)
良く見るとベンチに誰か座ってこちらを振り向いている?

十二ちゃま!?

さて残り5km、あとはもう下るだけ!

A7 → ゴール(下り区間)

が、雨乞山からの下りってとても急でテクニカルなんですよね~(TT)
雨もあって滑り易くなってるし。
ここでついにハンドライトを口に加え、両手にストックの3刀流。
俺にこのポジショニングをとらせようとは・・。
そして、やはりハンドライトはガスに有効だと再認識。
路面状況が手に取るように分かります。

思ったほどテクニカルな下り区間は長くなく、すぐにつづら折りな下りへ。
その後、林道チックな道。
もう残りの距離は長くない。
潰れるの覚悟で最後の力を振り絞り、ちょっとペースを上げました。
この辺りで歩いている選手1名、座り込んでいる選手1名をパス。
その辛さ、痛いほど分かります(><)

A7 → ゴール(ロード区間)

ついにロードに出たようです。
時刻は・・4時50分。
残り2kmくらい?キロ5分なら24時間切りもまだいけるか!!??
その先で残り2kmの距離表示、、うーーんキツイ。
そして、ちょっとしたトレイルの登りが現れます。
ここで気持ちが折れて24時間切りを諦めました(^^;)
弱いなー・・。
とはいえ、ロードは頑張って走ります。


そして最後の橋。
この橋は何度渡っても気持ち良いなあ。
橋に入る直前、スタッフに番号を確認され「120km選手1名ゴール入ります!」的なことを連絡される。
なんか出迎えてくれる感があって嬉しいです。


そしてフィニッシュゲート。
ここで走るのを止めて、歩いてゴールへ。
俺がウルトラトレイルで好きな時間の一つです。
ストックを天に突き上げゴーーーール!!

そういえば某大会では、「ゴール」ではなく「フィニッシュ」、「ゼッケン」ではなく「ナンバーカード」と呼ぶようにと言われています。
けど、「フィニーーーーーシュ!」よりも「ゴーーーーーール!!!」の方が良くないですか?笑
そんなこと某大会のスタッフ内では言えないけど、この「うさかめ日記」内ならオッケー♪(^o^)♪

ゴール「川場ふれあい駐車場」(129km地点)

ゴール
区間タイム +4:42(127位)
累計タイム 24:04(23位)

24時間4分ほどの結果となりました。
最後はやはりペースが落ちたようで、全区間の中で一番悪い127位。
それでも総合は604人中23位なので上位3.8%。
数年前のウルトラトレイルでは半分くらいの順位をうろちょろしていました。
それからしたら出来過ぎな結果。
上位何パーに入ったかってのは、大会と参加者のレベルも色々なので一概には言えない部分もありますが、それでも嬉しい。

ゴール後

ゴール後は、もとい、フィニッシュ後はお腹が空いていたのもありますが、とにかくお風呂に入りたい気持ちがあり、ホテルSLへ。
500円で入れるんですよね♪
けど、預け荷物は道を挟んで反対側にある体育館で受け取り。
このちょっとした往復の距離がレース後の身体には堪えるのです(^^;)

受け取り荷物はゼッケンと引き換えです。
ゼッケンを持って帰りたい方は名前を書いてください、とのこと。
やはりこの汚れたゼッケンは戦利品として持ち帰りたかったので、名前を記入。
ホテルSLで500円を支払って入浴。
足は・・豆が出来ていない、爪も死んでいない。珍しい。
右ハムがやはり張ってしまっていたので、そちらを入念に手入れして、さくっと風呂を上がりました。

その後は荷物整理。
体育館傍の洗い場でシューズの泥を落とします。
ある程度落ち着いた後、ゴール会場へ。
そしたら丁度、安走会同期のスルさんがゴールしているところでした。
続けてGOさんもゴール!
配られていたうどんを食べる。うまい。

武尊山パートで痛めた指の傷、破傷風が気になったので救護室へ。
相変わらず武尊ウルトラの救護班の学生さんは感じが良い。
その後も知り合いのゴールを見届けたり、レース中に近くを走っていた人と挨拶したり。
で、10時過ぎだったかの大会バスに乗って沼田駅へ。

沼田駅


腹が減っていたので、GOさんと沼田駅の中華屋へ。
味噌タンタン麺を注文。650円。うまい!


次の電車まで1時間近くあったので、売店へ。
丁度、休憩スペースがあったので、そちらで味噌団子を頂く。
お茶が無料。良い感じに落ち着くスペースです。

その後、12時台の鈍行に乗り帰宅。
今回は完走出来たのも良かったけど、忘れ物が一つもないというのが素晴らしい!
UTMFの代わりに・・なんてエントリーしましたが、十分に素晴らしい大会です。
来年は是非100マイルで開催してほしいものです。累積標高は1万越え、UTMF以上の大会として(^^)