南アルプス縦走(甲斐駒ヶ岳~仙丈岳~塩見岳~荒川岳~赤石岳~聖岳)①

南アルプスデビュー

お盆休みを利用して南アルプスデビューしてきました。
どうせなら縦走したい&電車とバスで行けるルートを考えました。

結果、北から南へ縦走するルートを計画。
スタートは道の駅白須。白須へは韮崎駅からバス。
ゴールは畑薙ダムの白樺荘。白樺荘からは井川地区自主運行バスで横沢を経由して静岡駅へ。

あと、基本的に夜間は行動しないで、山小屋には遅くとも16時までに到着する行程で計画しました。

軌跡

※計測:EPSON WristableGPS SF-710S

実績

1日目

距離:16.7km
累積標高:2611m
行動時間:6時間1分(9時45分~15時46分)
CT:12時間53分
CT比率:46.7%
ルート:道の駅白州~黒戸尾根~甲斐駒ケ岳~長衛小屋

2日目

距離:31.3km
累積標高:3354m
行動時間:11時間25分(3時53分~15時18分)
CT:23時間15分
CT比率:49.1%
ルート:長衛小屋~仙丈ケ岳~塩見岳~三伏峠

3日目

距離:22.0km
累積標高:2103m
行動時間:8時間3分(5時47分~13時50分)
CT:15時間20分
CT比率:52.5%
ルート:三伏峠~荒川岳~赤石岳~百間洞山の家

4日目

距離:29.0km
累積標高:2156m
行動時間:8時間2分(5時6分~13時8分)
CT:18時間5分
CT比率:44.4%
ルート:百間洞山の家~聖~白樺荘

全行程

行動時間:33時間31分(宿泊時間除く)
コースタイム:69時間33分
距離:99km
累積標高:10224m

プロローグ

南アルプス出発日である8/11(土)の前々日。それは起こった。
会社からの帰りの電車。
南アルプスのことを色々と考えていた。

で、自宅最寄駅に到着し、ホームの階段を降りようとして気づいた。
カバンが無い!

そう、電車内に置き忘れたのである。
「・・ああ、棚の上だ」
この時はまだ、すぐに見つかるだろうと思っていた。
カバンの中身。
財布、免許証、定期券、家の鍵、保険証、クレジットカード、社員証、判子など貴重品のオンパレード。
唯一、携帯電話だけ手に持っていった。あとipodシャッフル。

駅員に問い合わせて、乗務員等々に確認してもらう手はずとなる。
ここで見つかる想定だった。
が、現実は違った。
「すみません、良く探したのですが、該当のものは見つかりませんでしたー」
なんと。やばくなってきた。
すぐさま、クレジットカードを止めた。
あと、警察に遺失物届け。
家に帰ろうにも鍵が無い。
社員証、これは上司に連絡。始末書か・・。
ああ・・・どうしてこんなことに。
南アルプスが遠くなった気がした。
お盆休みは免許再発行とかかな・・。

で、23時ごろ、鍵業者に家の鍵を開けてもらう。
諸々、ここでも失敗して、25000円ほどかかる。
ようやく家に入ったころ、電車から連絡。
「見つかりました!」
と。良かった、と思う反面、もう少し早ければ・・と思った。
そこから終点駅まで取りに行って、再び家に帰ってくる頃には日付は変っていた。
こうして南アルプスへは寝不足状態で向かうこととなった。

南アルプスへ(家~韮崎駅)

2018年8月11日
家を出てしばらくしてから、ストックを忘れていることに気づき青ざめる。
電車の時間を確認し、まだ急げばギリギリ間に合うと判断し、取りに戻る。
猛ダッシュで駅へ向かい、なんとか予定の電車に乗る。
ヤレヤレ峠だぜ。

新宿駅で特急券を購入。
スーパーあずさ1号に乗車。運良く自由席に空席を一つ見つける。
車内は立っている人がいるくらいに混んでいた。
韮崎駅で下車。
8時50分発のバスに乗る。他の多くのハイカー姿の人は別のバスに並んでいた。北沢峠行きのバスか?
というか、自分が乗っている白須へ行くバスには山の人はいなかった。

道の駅はくしゅう


9時17分、白須で下車。その時、後ろか「これ、落ちましたよ!」と声をかけられる。
危ない、タオルを落としていた。ありがとうございます。

道の駅はくしゅうへ行く。凄い人で賑わっている。さすがは南アルプスの麓とあってか、水を汲める場所があり、多くの人が集まっている。
そういえば朝急いでいたこともあり、朝ごはんを食べておらず、お腹が空いていることに気づく。
出発目標の9時30分を過ぎてしまいそうだけども、ここはしっかりと補給していくことにした。
道の駅のレストランで「朝食 卵かけご飯」の文字に目が留まる。
500円。これを食べていくことにした。
自分の前の客がなんだか変な注文をしているみたいで、卵かけご飯がなかなか出てこない。
10分ほどしてようやく出てくる。
自分の後に卵かけご飯を注文した客はすぐに出てきていたので、ついてないなーと思う。
サクッと食べて、冷たい水を飲んで、出発する。

道の駅はくしゅう~黒戸尾根取り付き


道の駅からはしばらくロード。灼熱!
途中から田んぼの脇の道を進む。
そこを車が渋滞してる。なんだか人気の店?があるみたい。
一人、ハイカーさんが歩いていた。挨拶して通り過ぎる。どこまで行くんだろう。


このルート、もっとハイカーがいるものだと思ったら、全然いない。
しばらくして森&林道になってきた。
渓谷があって、売店などもある場所に到着。
ここには多くの人がいた。
あー皆、ここまで車で来ているんだなと思った。


10時8分
黒戸尾根の取り付きへ向かう。
観光客が多く歩いている。
皆、登るのか?と思ったら、違った。
川に降りる道と同じだったみたい。
分岐で自分は登り道へ。

黒戸尾根~七丈小屋

あーこれで騒がしい場所からおさらばだ!
と、喧騒と暑さから逃れるように尾根を登り始める。
登りはとにかく暑かった。
自分の体がおかしくなったのかとも思った。いや、おかしかったのかも。
汗が止まらない。
恐らくは湿度がすごく高い。もしかしたら雨が降る前だからか?とか思った。
黒戸尾根は思ったよりも人が少なく、一人の時間が多かった。


12時3分
途中、岩場の箇所があった。地図で危険マークとなっているところ。
そういやーロシさんはこれを3時間半だか、3時間で登るとか言ってたなー。
とか考えていて、ふと自分の今のペースから山頂への到着時間を予測してみると、3時間とか切りそうな感じ。
おかしいな、と思って、次の瞬間に、いや、登って降りてのタイムだ!と気づいて、やっぱロシさんヤバいなーとか思いながら登った。


13時ごろ
七丈小屋というところに到着。
後から地図で見たら「七丈第一小屋」と「七丈第二小屋」がある。自分が訪れたのはどっちかは不明。
受付の女性店員さんは愛想良かった。
桃のジュースを購入。400円くらい。
あと、水場の水は無料だというので、ペットボトルに入れていった。
今回、緑茶の粉末を持ってきていたので、それを入れた。
「あーこの緑茶の粉、もっと持ってくればよかった」と思った。

七丈小屋~甲斐駒ヶ岳


再スタート。
流石に標高が上がってきて、暑さもだいぶ和らいできた。それでも汗は止まらないけど。



14時8分
甲斐駒ヶ岳に到着。
ちょうど、取り付きから4時間かかったことになる。
しかし、ガスが出ていて、展望ゼロ。残念。
山頂には10人くらいのハイカーさん。

甲斐駒ヶ岳~長衛小屋


14時9分
山頂から長衛小屋方面に行くには2つの道がある。
破線ルートと実線ルート。
破線の方が近い。
なぜ、破線なんだろう。
より近い破線ルートを進みたかったが、ちょっと迷う。
そうこうしているうちに、その破線ルートからハイカーさんが数名やってくる。
見た目から「この人が来れたんだから、自分も大丈夫だろう」と思う。失礼な話だ。
念のため、どんな道か聞くと、どうも岩場らしい。
だが、3点支持でいけば大丈夫、とアドバイスを頂く。
破線ルート、確かに岩場だったが、特に問題のないルートだった。


15時10分


15時29分


15時46分ごろ、本日の目的地である長衛小屋に到着する。
16時までに到着出来たので、夕食にありつける。

長衛小屋


ストックシェルター泊が可能な装備でいたけど、今晩は雨予報。
明日は長い行程だし、ここはゆっくり回復に努めようと、小屋泊とする。8000円。
山地図で長衛小屋にシャワーの記載があった記憶。
こんな山の上でシャワーなんかに入れるのだろうか、なんて思いながらいると、
他の客がシャワーの利用予約を頼んでいる。本当にシャワーあるんだ!と、ちょっと感激。
宿泊料とは別に利用料が必要とのこと。5分500円。
そしてシャワーは1台で、15分間利用の予約制。
もちろん予約した。16時45分からの枠を予約。
晩飯は17時30分からと案内された。

寝床に荷物を置いて、小屋近くの川へ行き、体を拭いた。
水が冷たく、ちょっと寒い。
シャワーまで時間があったので、寝ることにした。
前々日の貴重品ロストにより寝不足気味。
布団に入ると体温が上がるのがわかる。
頭も少しズキズキ。
この感じ、高いところにきたら大体こうなる。なんだろう、高山病なのか。


ちょっと寝て、シャワーの時間となる。
シャワールームにはシャンプー、リンス、ボディソープが備え付けられていた。
シャンプーには「一人2プッシュまで」と記載されていた。
サクッとシャワーを浴びた後は、確かまた寝床で横になった。
外に出て散策とかしたかったけど、どうも体に余裕がなかった。


17時30分、待ちに待った飯の時間。
ご飯お替り自由だったので、お替りしまくる。
前に座ったおじさん、60歳過ぎだったか、最近山登りを始めて、百名山踏破を目指しているらしい。


食後にちょっと周辺散策。
長衛小屋のテント場。
19時くらいに寝る。寝不足気味だったこともあり、結構、しっかり寝れた。