冬の大峯奥駈道縦走旅1日目(吉野~山上ヶ岳~大普賢岳~行者還小屋)


日本百名山 近畿最高峰「八経ヶ岳」

大峯奥駈道へ

2016年の年末休暇を利用して近畿の修行道「大峯奥駈道」を縦走してきました。
吉野をスタートし2泊3日で熊野本宮を目指す、コースタイム50時間以上、距離約90kmの行程です。

大峯奥駈道とは・・

大峯奥駈道は、奈良吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道であり、熊野古道の中で最も険阻なルートをなす。今日、一般的に大峰山(大峯山)といえば山上ヶ岳を指すが、大峯奥駈道でいう「大峯」とは、吉野から山上ヶ岳を経てさらに奥の山々、そして最終的には熊野三山に至る大峰山脈を縦走する修行の道全体を指している。
ウィキペディアより

また、本宮から吉野に向かう行程を順峯(じゅんぷ)、逆に吉野から本宮に向かう行程を逆峯(ぎゃくふ)と呼び、それぞれに主宰する宗派が異なるそうです。
自分の場合は逆峯に相当します。

GPS記録(1日目)

距離:30.42km
累積標高:3086m
時間:10時間52分(07:29-18:38)
計測:EPSON WristableGPS SF-710S

1日目(2016年12月30日)スタート


実家の大阪より電車を乗り継いで吉野駅へ。


駅を出たところです。
売店はまだ営業しておらず、自販機で飲料を購入。あとコーンポタージュを飲む。
7時30分ごろスタート。
スタートしてすぐにコースアウトしていることに気付く。
駅からはロープウェイ駅のほうへ進むのが正解。
程なくして七曲峠(確か)という名前の登り坂となります。


7時57分。
しばらく観光地の雰囲気が漂う道のりを進む。


8時5分。
金峯山寺に到着。
ここでもちょっと迷う。
金峯山寺の左側を抜けるのが正解。


8時52分。
修行門鳥居。

トレイル区間へ


8時56分。
スタートしてから1時間以上経過してようやくトレイルへ。


9時1分。
しばらく林道みたいな道が続き、ロードにも何度か出ます。
ショベルカーが工事していました。
そしてうっすら雪が積もっています。

百丁茶屋


10時59分。
百丁茶屋跡・二蔵宿小屋。

百丁茶屋の先、尾根を登るか巻き道を進むかの分岐がありました。
山上ヶ岳の案内に従い(大天井ヶ岳の)巻き道へと進みましたが、尾根が正規ルートのようです。
あと、分岐の尾根側には「KOBO TRAIL」の案内板がありました。
KOBO TRAILとはトレイルランニングのレースのようですね。


11時28分。
巻き道には2箇所、写真のような水場がありました。


11時39分。
見事なツララも。
巻き道は人がほとんど入っておらず、また斜めの道を進む箇所もあり少し危険でした。
また、自分の先に1、2名ほどの新しい足跡は確認出来ていました。

山上ヶ岳


12時5分。
女人結界門に到着。
ここで吉野駅を30分くらい先に出発していたというハイカーさんに追いつきます。
彼は20kgのザック。足元にはスノーシューと思われる装備品。
自分は8kg程度、それでも重いかと思っていましたが、この時期はそれくらい必要なのですね。
この辺りからさらに雪深くなり、足をとられるようになってきました。


12時32分。
枝も凍りつき、見事な景色。
そしてとても寒くなってきました。
驚いたことに首に巻いていたネックゲイターがカチンカチンに凍っています。
ネックゲイターを口に当てていた時の息による水分で凍ってしまったのでしょう。
手も手袋&オーバーミトンの装備をしているにも関わらず、感覚がなくなってきました。


12時39分。
尾根に出る。


12時44分。


12時53分。
何かの足跡。鳥?
他にもシカと思われる足跡も結構見受けられました。


13時15分。
洞辻茶屋。


洞辻茶屋近くにある銅像。
茶屋はもちろん営業しておらず、中で休憩。
こういう風を遮れる場所でないと手を出して補給する気になれません。
持参したクリフバーに噛り付くも硬く凍っています・・。
水はザックの中に入れているにも関わらず、半分凍ってシャリシャリな状態。
気温計は持参していませんでしたが、氷点下は間違いなしですね。


13時36分。
洞辻茶屋で休憩して再スタート。
手はしばらく動いていると手袋の中で暖まって感覚が戻ることが多かったです。


13時57分。
山上ヶ岳。
登りで足をとられ、かなり体力を消耗してしましました。


15時32分。
女人結界門を出る。

行者還小屋へ


16時19分。
日が暮れ始めました。
想定では16時45分に行者還小屋到着でしたが、雪のためかなり遅れてしまっているようです。


16時28分。
大普賢岳。
ここの手前の登りもかなり疲れました・・。
雪がいかんせん多く、こりゃ明日はエスケープだな・・なんて思い始めました。
ここらでナイトトレイルを覚悟、早めにヘッドライトを装着する。


17時46分。
完全に日が暮れ、ナイトトレイルとなりました。
暗くなってからもロープ&鎖を掴まないと滑るような登り区間があったり、吹雪にさらされ踏み跡がなくなっている尾根など進みました(^^;)
0.5kmって距離に1時間くらいかかった区間も。。

いよいよ行者還小屋かって頃に水場が現れます。
先ほどのハイカーさんから、この先に水場はないと聞いていたので、満タンまで補給することにします。
暗い中、念のために浄水器の「ソーヤミニ」を取り出し、浄水してから補給。
水はしっかり出ていました。


18時30分ごろようやく行者還小屋に到着。
中には先客1名。就寝しようかとしている頃でした。申し訳ない。
2部屋あったので、その方とは別の部屋へ移動。
床には銀マットが敷かれており、毛布まで用意されています。
部屋を出たところに炊事場がありましたが、冬で凍っているからか水は出ませんでした。
トイレは外にありました。


ザックにつけていた「チビちゃん人形」が凍ってます(^^;)
今日は途中からロングスパッツを装着していたので、シューズの中に雪は入っていないかなと思っていましたが、いざシューズを脱いで見ると結構湿っていました。
シューズのアッパーから雪が溶けて湿ったものと思われます。
靴下はC3fitの和紙5本指ソックス。
これは自分の中でお気に入り商品です。
シューズこそ湿っていたものの、これのおかげで足裏がドライな感じだったのかも。


アルコールストーブでカップ蕎麦を頂く。
寒さからか火をつけるのにかなり難儀しました。

そして就寝の準備。
床には既に銀マットが敷いてありましたが、さらに持参した銀マットをさらに敷く。
さらにその上に毛布を敷き、モンベルのダウンハガー#5、SOLヴィヴィシートをシュラフカバー代わり、上に掛け毛布・・といった寝床にしました。
就寝時の寒さがとても不安でしたが、どうにかなりそうな感じです。
やることもなく、そして寒すぎて何もやる気になれず20時前に就寝。