FTR100K Round 秩父&奥武蔵参戦記(飯能~ゴール)

A6(飯能)~A7(鎌北湖)


(15:58)
飯能より数キロ平坦な道を走って宮沢湖に到着。
宮沢湖には裸足トレランの大会で来たことがあったので懐かしかったです。
痛い思い出です。
入り口にはハセツネ安走会同期のイマイズミさん。挨拶してそのまま宮沢湖を一周。
結構距離ありました。3kmくらいあったかな?平坦な道をずっと走り続けるってのは辛いですね。
一周を終える手前でボランティア業務をされていた55さんと遭遇。
ふとしたタイミングで知り合いと出会うので油断できないですね。
変顔しながら走るとかしないように注意しないと。悪い癖。


(16:22)
宮沢湖の後、ロード区間となりました。
この辺りも自転車で来たことがあるので懐かしい風景でした。
フユヒコさん、元気ですか?
写真はカナモリさん。着いていくので精一杯。
結局、彼はサブ20でゴール。素晴らしい・・。
ロードには誘導が少なく、分かりにくい箇所がちらほら。
お互いに「そっち違いますよ!」と声を掛け合ってロストを回避し、日和田山の登山口へ。
ここからトレイル、既に辺りは暗くなってきていたのでライトの準備をしました。


(17:09)
日和田山からの夜景。
ここまで順調。
そしてここからアクシデント多発です。
タイムマシンがあるならば、ここに戻りたいですね・・。

~I'm just in Lost~

日和田山は難なく越えて下り区間へ。
ロードに出た後も下る下る。
ここでハイカーを発見。
こんな時間にハイカー?
ふと見るとそれは安走会の激写ことノグチさんでした。
「いい順位ですよ!」と声を掛けて頂き、いつものように激写されました(笑)
さらに下ります。ペースも上がってきたか。

先を行く選手がハタと立ち止まり、なにかを確認しています。ざわ・・
「どうされましたか?」と聞くと、「いや、こっちでコースあってますよね?」「こんな下りがあったかどうか・・」
高低表を確認すると日和田山から先は確かに下っているが、それがロードかどうかは分からない。
「うーん確かに・・、高低表だと日和田山から下ってますし、これがそうじゃないかと・・」とあやふやな回答をしていると、
「ああ、本当だ、下っていますね!ありがとうございます!!」とその選手はピューっと先を行ってしまいました。
僕もそのまま進むも、確かに久しく案内テープを見ていないことに気が付きます。冷や汗。
一人立ち止まって今度はちゃんと確認。
すると次のエイドである鎌北湖とは反対方向に進んでいることが判明・・・!!
愕然。
なんてこった。
前を進んでいた選手が戻ってきました。
「分岐まで行きましたが、ハァハァ・・(案内の)矢印がなく、戻ってきました・・・」。
やはりロストしていた。
ロストした位置の特定は出来ないものの、これまで下ってきたロードを登り返す必要があるのは確かなようです。
懺悔の時が来ました。


登り返す二人の後姿が寂しげ(野口さん撮影)
どれくらい復旧に時間を要するか、この時は少し冷静に時計を確認しました。
泣きながら登ります。
するとすぐに2名の選手、この方たちも間違って下りてきてしまったようです。
クソ、クソ!これまで順調にきていただけに悔しくてなりません。
10分、20分と登る登る・・・。
偉大なるアーティスト「GLAY」の歌に「I'm in Love」というものがありますが、今の僕はまさに「I'm just in Lost」
その後さらに5、6名の集団に追いつきます。
彼らも「I'm just in Lost」。
その中にはセイジさんの姿も。
セイジさんも「I'm just in Lost」
皆で歌おう「I'm just in Lost」

分岐まで戻ってきました。
これだ!と、誰かがつぶやきます。
ようやく正規ルートに戻ったようです。
時計を確認。戻り始めてから24分ほど経過しています。
下りの時間は分からないが、ペースを考えると恐らくは合計で40分ほどロストしていた計算。
そこに要した体力を考えると影響は1時間以上か・・。
もう考えるのはやめよう。


RunKeeperよりマップを拝借。
丁度69kmとなっているところが「日和田山」。
その先、北北西に進まなければいけないところをロード沿いに進み、南へと2kmちょっと下りてしまいました。
合計で4.5kmほどロスト。

鎌北湖エイド

流石に疲れてきました。
冷静さも失っていたからか、登りで息も切れていたかもしれません。
このA6飯能~A7鎌北湖は17.5kmと一番長い区間でしたが、さらに長く感じました。いや実際長かった(^^;)

なんとか鎌北湖エイド(71.8km地点)に到着。
大分疲れました。
ここでは長めに休憩することにしました。次のエイド顔振峠までは登り基調ですし。
幸いカップラーメンの出るエイドだったので、とても美味しく頂きました。
あとフルーツポンチにミニトマトがとても美味しかったです(^-^)
ラーメンで塩辛くなった口の中にフルーツポンチを放り込んで、甘くなった口の中にラーメンを放り込む無限ループに陥りそうになりましたよ。

スタッフにロストしたことを告げると、後続選手のためか場所の確認をされました。マーシャルにも伝えておくと。
日和田山から下って、物見山に登り返すトレイルに入る手前ですね。

アクシデント~シーズン2~

ご飯を食べて、体力が少し戻った感覚。
トイレから戻ったタイミングだったでしょうか、スタッフの方より「ライト落とされた方いませんかー?」というアナウンス。
その時は特に気にすることもなく。
さて出発するか!
あれ、ハンドライトが見当たらない。ポケット、ザック。
その時、さっきのアナウンスは自分のライトだったことに気付き、スタッフに確認。
すると「あれ、別の選手が持って行きましたよ~」と返答。
え、そんな。それは僕のハンドライト・・。
そのハンドライトはGENTOSのSG-325というモデルでかなり定番アイテム。
間違っても仕方ないですね。
ハンドライトがないと下りでスピードが出せない。
道のロストの次はハンドライトのロストか。これは痛い。
次のエイドに行けばその選手が気付いて、置いていくかもしれないと思い出発。

顔振峠エイド

下りでは携帯電話のライト機能を使いました。ないよりかはマシな程度。
やっぱりハンドライトが欲しい。
僕はテクニカルな下り区間では両手を空けておきたいので、ポイントポイントでハンドライトを口に咥えることがあります。
間違って持っていった選手の方!そのハンドライト、僕の唾液たっぷり付いていますよ!


(21:07)
A8の顔振峠エイド(79.3km地点)に到着。
次のA9(刈場坂峠)までは10.4kmで累積標高1042m。
これは覚悟しておいたほうが良さそうです。

さて、まずはハンドライトの確認。
・・やはり届いていない模様。
そればかりかレギュレーション不足により失格の可能性も出てきました。
これはちょっと笑えない状況。
本部に確認しますので少し待っていてくださいと言われたので、とりあえずは補給など。
お茶漬け美味しかったです!!
そういえばこの顔振峠の茶屋にも何回か来たことがあります。
主人は面白い方だったなぁ。
山の茶屋にしては珍しく夜も居酒屋みたいに営業していたので、会えるかなとちょっと期待していたのですが、この日営業していなかったようです。

A8スタッフリーダーのヤマシタさんより協議の結果を告げられます。
まず、失格にはならないとの事で一安心。
あとは自己責任でこの先進んでくださいとのこと。
さらに、これはヤマシタさんのご好意でハンドライトを貸して頂けることに(T.T)
あの時は本当にありがとうございました。

アクシデント~シーズン3~

ヨシ!これであとは心置きなくゴールを目指せるぞ!と一歩踏み出すと、右足に激痛。
え、なんだこれ。
着地~足上げ時に右足首に激痛が走ります。
捻挫か?捻挫した覚えはないですが、足首の痛みといえば捻挫くらいしか思い浮かびません。
知らぬ間にやってしまっていたようです(その後、捻挫ではなく前脛骨筋の疲労による足首の炎症と診断される)。

A8(顔振峠)~A9(刈場坂峠)


(23:41)
10.4kmで累積標高1042mはやはり辛い区間でした。
(写真はただ道を撮影しただけ(^^;))
右足の痛みから冷静さを失い、すっかりペースも乱れてしまっているようです。
次のエイドにはUTKKのヨシミさんがいるとのことだったので、それを気力に頑張りました。

A9の刈場坂峠(89.7km地点)に到着。
いよいよ最終エイドです!
トミタさんがエイドスタッフをされていました。
(ヨシミさんは後で聞くと、ここの手前のコース上の配置だった)
やはり知り合いが居ると元気が出ます。
ゴールまでは下り基調とはいっても14.4kmもある長い区間。
しっかり補給しないといけません。
トミタさんにお味噌汁を頂き、シュークリームも数個パクり。

この先は激下り&5km程度のロードとのこと。
嫌な予感しかしません。
そうだ、足首のテーピングを安走会で学んだんだ!ということで、右足首にテーピング。
スターアップを施します。
これでどうだ!?
走り出すと変わらない痛み・・。
ダメだ。我慢するしかない。

A9(刈場坂峠)~ゴール

A9から先はすぐに激下りというわけではなく、登りもきちんと用意されています(^o^)
この先のポイントは「大野峠」と「丸山」。丸山はまあまあな登り。
大分進んだし、もう大野峠は過ぎて、これが丸山の登りだろうと思っていた頃に「←大野峠」の道標。
ショックです。
大野峠は確かロード上のポイントでした。寒い中スタッフさんが誘導してくれています。
右足首の痛みと疲れから、声援に対する声も無愛想になってしまいます。すみません・・。

右足首があまりに痛く、一人夜の山の中で痛みを叫んでいました。
登りも下りも、とにかく足首を前後にパタパタする動きをすると激痛。
これはもう耐えられないと、これまで飲んだことのない鎮痛剤(イブ)を飲むことにしました。
効果あるんだろうか?
2錠飲んで再出発。
30分ほどしても痛みは変わらず。
やはりダメか。
A9で食べたご飯を早くも消化したのか、パワー切れな感じになってきました。
ジェルを持っていましたが、ジェルを食べると吐きそうな感覚。
ZENの山よりだんごを食べました。水で流し込みます。
ちょっと気持ち悪くなるも食べきりました。ヨシ。
しばらくすると右足の痛みがちょっと和らいだ感覚があります。
そうか、さっきまでは胃が働いていなかったからイブも消化されていなかったのか、なんて思いました。

丸山に到着。
そこのスタッフによると、この先は2回登り下りして、そこから激下りとのこと。
確かに高低表もそうなっています。
もう大きな登りはなさそうです。
その後、2回か3回か登り下りしたあとに緩やかな下り、急な下りを繰り返してきました。
いよいよ激下り区間か。
コース上からは時折、街の明かりが見えます。とても下に・・・。
あそこまで下るのか!?まだまだ下るじゃないか。

途中、先に進んでいたセイジさんに追いつきました。
胃をやられたらしく辛そうです。
ここまで来たら皆なんかしらアクシデントを抱えていますよね。
下りは一時間ほどかかったかもしれません。ようやく終わったのか墓場に出ました。ここが礼所四番?
そこからロード。
ここから約5km。どれくらいのスピードで走れるだろうか。体感ではキロ7~8程度。
40分以上はかかりそうです。


(2:08)
ついに100km地点まで来ました。
分岐でどちらに進んでいいか分からない箇所があり、最後の最後までロストしていないか不安な状態が続きました。
ウルトラトレイルの最後のロードは走れず、抜かされることが多いです。
この時もゴール1km手前くらいまでは大丈夫でしたが、ついに後ろから熊鈴の音が・・。
「お疲れしたー♪」と抜かされる時に声を掛けられます。
僕は性格が悪いのか、この抜かされる時の「お疲れ様」には悔しさを感じます。
なんとなく上から目線の「おっ頑張れよお前!」みたいな感じがして(^^;)


(2:49)
羊山公園へと続く最後の登り。
歩いても変わらないくらいのスピードで走って会場内へ・・。
ゲートが見えた。
そして23日午前2時49分無事ゴール!
21時間49分の旅でした。

ゴール後

ゴール後、会場内へ。
そこで完走証の発行。
発行してくれるのは朝一装備チェックをしてくれたマーシャル先輩のオザワさん。
約22時間後の再会です。

隣にはゴール後の選手用にカップラーメン、カップうどん、豆乳、エナジードリンクなどが用意されていました。
豆乳とカップラーメンをいただき、ブルーシートの上でしばし放心。
お風呂に入って眠りたい、ゴール後はこの一心です。
聞くと、この時間帯は武甲温泉までの送迎はないとのこと・・。
会場内に仮眠用テントがあるも、べたついた身体で眠りにつく気になれず。
GoogleMapで武甲温泉までの距離を計測すると2.8km、歩いて34分。
・・・歩くか・・。
ワラーチに履き替えて、身支度を整えて足を引きずりながら会場を後に。
すると会場を出てすぐに武甲温泉のものと思われるバスが!!
聞くと運行しているとのこと。助かった・・(ToT)

武甲温泉

武甲温泉に到着。
バスで走ってきた道のりを見て、今の足で歩いてこれる距離ではなかったことを悟ります。
受付で1000円を支払い中へ。
幸い混雑しておらず、スムーズに入ることが出来ました。
入浴後は仮眠部屋へ。


結構寝たような気もしましたが、時計を見ると1~2時間程度しか寝ていなかったようです。
現在朝の6時ごろ。
GOさんも見事完走し、温泉に来ているとメッセージがあったものの、見当たらず。
とりあえず会場に戻ってゴールする選手を迎えよう、と再びバスに乗って会場へ。

再び会場


会場到着。
今気付きましたが、隣は牧場みたいになっていました。


羊発見!
羊山公園には本当に羊がいました。
次にハセツネ安走会同期の田中さんを発見。
スタッフベストを着て誘導しておられます。
なんでも50Kを走った後にボランティアしているのだとか(^^;)
すみません、、俺もやります!という元気はありませんでした(T.T)

ヨシミさんとはここで合流。
人が足りず(ボランティアのドタキャン続出だったみたいです)、ご飯も配給されなくて、かなり大変だったとか。
お疲れ様です。。
他の安走会メンバーやらと雑談していると、オダッチらしきが会場内へ。
ゲートに向かうとやはりオダッチ。
疲労困憊の様子。
低体温、ハンガーノックになり最終エイドで仮眠していたんだとか。
それでもリタイアせずに完走。おめでとう!

そのオダッチが温泉に行くタイミングで僕もバスに乗って駅へ。
到着した駅は「横瀬駅」。西武秩父駅の隣駅でした。
西武秩父駅まで行って、ホテルの忘れ物を取りに行きたかったのですが、行って戻るのも面倒だしと、着払いで発送してもらうことにしました。
さて池袋行きの電車出発時間までは30分くらい。
周りを見渡すと見覚えのある顔、トライアスロンのボラで出会ったミカさんでした。
ミカさんは今日のボランティア担当で10時にここ横瀬駅集合なんだとか。
迎えが来るまで雑談。安走会同期のムラコシさんの姿も。
今回はいろんな人に出会います(^^;)

ちょうど横瀬駅の前の道はコースになっており、今もまだFTR100Kの選手たちがゴールを目指して走っています。
ここで約2km手前。
その中に坊主さん発見!大分辛そうですが、もうゴールは目の前です!
その後、JUKUCHOさんも発見、こちらはまだまだ元気といった様子。強いですね。

帰宅


(10:27)
電車の出発時刻がやってきたのでホームへ。
飯能・秩父ありがとうございました!
そして奥宮さんはじめ、スタッフの皆様、楽しいレースをありがとうございました!
来年も無事開催されることを祈っております。
飯能・秩父エリアには近いうちにまた遊びに来たいですね(^-^)

参戦記おわり
持ち物・まとめ編につづく・・